シンスプリントについて学ぼう
シンスプリントになってしまったので
シンスプリントについて学びました。
- シンスプリントとは?
- どんな人がなる?
- どんな症状が出る?
- どうやって診断する?
- 鑑別(区別)するべき、他の病気は?
- どのように悪くなる?
- どんな治療方法がある?
- シンスプリントとは?
シンスプリント(Shin splints)は
『硬い路面でのランニングや底屈筋の過負荷によって誘発される下腿の違和感や疼痛であり、
コンパートメント症候群と疲労骨折を除いたもの。』
英語名はMedial Tibial Stress Syndrome (MTTS): 脛骨内側ストレス症候群である。
なので筋肉そのものから、筋肉と骨を繋いでいる膜、そして骨の部分が炎症している状態である。
どんな人がなる?
陸上競技選手に多いとされているが
跳躍やランニングの反復を伴うどんなスポーツ選手にでも起こることがあります。
10代から20代の若者アスリートに多いですが
私のようなミドルエイジのアスリートももちろんなります。
どんな症状が出る?
症状は脛骨(弁慶の骨)の内側の痛みや違和感で半分から下に痛みの部位がある。
場所はここですね。
最初はランニングの着地途中から離地での痛み(mid support - take off)
そして症状が進むと着地だけで痛くなり
もっと悪くなると歩行時や安静時も痛くなります。
どうやって診断する?
診断はスポーツを行なっている人で
上記の部位が痛む場合は疑われます。
長く続く場合は整形外科を受診して
ちゃんと診断してもらいましょう。
診察の上で、レントゲン、超音波(エコー)、MRIなど必要な検査を駆使して診断してもらえます。
鑑別(区別)するべき、他の病気は?
鑑別(区別)が大事な他の病気として
1: 脛骨疲労骨折
2: 骨髄炎や腫瘍などの見逃したら大変な病気
があります。
1はシンスプリントと完全に別の病気というわけではありません。
同様に繰返しのストレスが加わることでついには骨が折れてしまうという状態で
より重症になると骨折にまで至ってしまうということです。
2はたまたま運動で使う体の部位に同じタイミングで細菌感染だったり
腫瘍ができていて実は痛みの原因がそれだった。
という可能性は低いけど
気付くのに遅れると大変なケースです。
とても稀ですが病院で診断してもらうしかないですね。
どのように悪くなる?
症状がどのように悪化していくというのを
Walshさんが分類しています。
ステージ1: 運動後のみに痛み
ステージ2: 運動中に痛みがあるけど、パフォーマンスには影響なし
ステージ3: 運動中に痛みがあるし、パフォーマンスも低下
ステージ4: 安静時も痛い
というステージで進んでいきます。
骨の表面の部分に傷ができて
その修復が追いついていないことが原因なので
患部を安静にしてあげることが必要になります。
『治療の安静は、悪くなっている部分にさらなる負担をかけない』
という意味なので全ての運動を中止する必要はありません。
ステージ2までであれば、痛みの出ない範囲でのジャンプや走動作を継続しながら
ストレッチや筋トレをして治していきます。
ステージ3以降だとジャンプや走動作を中止して
筋トレや他の運動をして治します。
ちなみにステージ2までで治療を開始できれば
本格復帰までは平均2−4週間
ステージ3まで持ちこんでしまうと本格復帰まで平均8−12週間もかかるので
早めの治療開始がとにかく重要です。
簡単な鑑別方法として
片脚ジャンプで踏切時に痛い 一般型(早期、軽症 ステージ1 or2)
片脚ジャンプで着地時に痛い 重症型(ステージ3以上)
あくまで簡単な鑑別方法なのでこれだけで決まるわけではないですね。
治療は
ジャンプ動作、走動作の制限
リハビリ(ストレッチ、筋トレ)
足底板(アーチサポート)
後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋、ヒラメ筋などの
ふくらはぎから足のゆびの動きに関わる筋肉のストレッチが有効なので
運動後や寝る前とかに取り組みましょう。
さらに病院で行える治療としては
なども効果があるようですが
できる病院が限られたり、保険外診療でお金が高かったりしますね。
無重力トレッドミル参照ページ:https://www.alterg.com
トップアスリートへの推奨は
- 体重かからないようにする装具(痛みがなくなるまで)
- 痛み止め(非ステロイド系抗炎症薬)の使用を控える
- アイシング(痛みと腫れを抑える)
- 足底板
- ESWTとRSWT
- 相対的安静(衝撃の少ない方法:アクアジョギング、サイクリング、エリプティカルマシンなど)
- 反重力トレッドミルの使用
- ビタミンD3、栄養状態評価
- シューズとスポーツサーフェスの評価(アスファルトは避ける)
- 体幹の強さ、手足の長さ、筋肉のアンバランスを評価する。
とのこと
自分で取り組めるのは、
3, 6, 8, 9, 10 ってところですかな。
トレーニングを再開してまた再発しないようにするためには
トレーニングの内容に注意しないといけない
アスファルトなどの硬い路面を避けたり
ストレッチを習慣化するなどの工夫が必要ですね。
参考文献:
- シンスプリントの重症度分類と治療 八木茂典. Sportsmedicine 2010.
- Treatment of Medial Tibial Stress Syndrome With Radial Soundwave Therapy in Elite Athletes: Current Evidence, Report on Two Cases, and Proposed Treatment Regimen Amol Saxena A et al. Foot ankle Surge. 2017.
- スポーツ障害に対するストレッチングの方法. 玉置ら 臨床スポーツ医学 2015
- 下腿のスポーツ障害に対するリハビリテーション 八木茂典 MB Md Reha 2015